ぶうたれオヤジの日記

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スズメ天国(2)♪

(敵)

①最初私の敵は鳩だった。呼んでもいないのにいつの間にか集団で私の正面に陣取って、偉そうに雀のエサを横取りするからである。だから私は、私の足元に来る鳩などは懸命に追い払っていた。城北公園では体中に鳩を纏わり付かせながら餌遣りをしている人物もいた。鳩が好きなのだろう。他方あそこの休憩所には『頭上に注意!鳩の糞』などという看板も立っている。日本橋のデンデンタウン商店街には『鳩に餌を与えないで下さい!』という注意書きもあって、あの白いペンキのような鳩の糞を見るにつけ、私も鳩への餌遣りはマナー違反の如き「いけないこと」のような観念を刷り込まれているのである。大阪城公園では鳩への餌遣りは別段禁止されていないが、私自身は好んで鳩に餌を与える者ではない。

 野鳥のことなどこの歳になるまで丸で知らなかった私は中央図書館に行って、少しだが鳥類の図鑑などを見て初歩的なことを調べた。そこで初めて私は知ったのだが、いわゆる『ドバト』というのは、ユーラシア大陸に広く住む『カワラバト(Columba livia)』を家禽化した鳥が野生化したものだというのである。何のために家禽化(鳥だから家畜化とは言わないw)したのかと言えば、一つは食用のため、もう一つは伝書鳩として利用するためである。
 フランス料理にハトの料理があることは私も聞いていたが、そのこととドバトとは私の頭の中では結びついていなかった。あっちゃ。
 日本に於いては鎌倉時代に既に(というかようやくというか)飼われていたという記録があり、野生化もその時代に始まったものとされる。いずれにせよ、人間によって改良された種(?)がここまで大繁殖を遂げたのだから、鳩の繁殖力には凄まじいものがある。余程人間社会への適応能力に秀でていたのだろう。

英名:Feral Pigeon.
大きさ33cm.

②次の敵はムクドリである。

 雀と同じスズメ目に属するが体長は雀(14cm)より一回り大きい24cmで、こいつがすばしこく、ずる賢いから私は好きになれない。私が投げる雀用のパン屑(←私は白い部分を適度に引きちぎって弾丸状に丸めて投げている)などは雀たちを押しのけ強引に奪ってしまい一呑みである。鳩の方がむしろ雀みたいにいちいち突いて丹念に食べている。鳩たちは雀らの食べ残した『パン粉』のようなものまで几帳面につついて回るのである。

③現在の敵はカラスである。大阪都市部に住む野鳥の大将である。カアと一声鳴いただけで、鳩もムクドリも、もちろん雀たちも一斉に路面からバタバタバタッと逃げ去ってしまうことがままある。私に触発されたわけでもないだろうが、俄かに野生の鳥類への餌遣りを開始した人たちは、鳩も烏もムクドリも全然追い払わないから、カラスまでもがこの『ゲーム(?)』に参加するようになってしまって、私にとっては迷惑千万な事態だが、「野鳥を種によっては差別しない」という博愛主義者(?)という点では私などより遥かに人格的に優れているのかも知れない。カラスがただ撒き餌を欲しいというだけなら、私も彼らをゲームに混ぜてやってもいいのだが、撒き餌の或る先輩の話では、カラスはエサを漁る振りをしていて突如牙を剥き、隣の雀に一撃を与えて気絶させ、頭から食べてしまうというので(!)これは絶対私の撒き餌ゲームからは排除しなくてはならないと考えた次第である。ちなみにその先輩によれば、カラスが鳩を食べるときというのは、鳩の背中に乗って鷲摑みし、これも頭からまず食べてしまうとのことである。私は愛知県にいたとき或るターミナル駅のロータリー舗道で、一羽のカラスが鳩の首無し死体の頸部をつついているのを目撃したことがある。私が近づくとそのカラスは鳩から離れ、あたかも「自分はその鳩の死骸とは無関係ですよ♪」とでも言いたげに、辺りをおどけて徘徊し始めるのだった。