ぶうたれオヤジの日記

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スズメ天国(11)。

(お出迎えとお見送り)

 桃園で播いていた頃は必ずスズメさんたちの『お出迎え』と『お見送り』があった。私が現場に到着するや否や、つつつッと何羽もすり寄って来るのが私の言う『お出迎え』である。チュンチュン甘えるような可愛らしい声で鳴くのは餌が欲しいときそのもので、真正面から素直に寄って来るのである。今はこの『お出迎え』はない。餌場には鳩たちが寛いでいるだけで、スズメさんたちのお出迎えは皆無である。だが準備の整った私が現場で鳩たちしかいない地面に向けてパン玉一つを投げ入れると、途端に10羽以上のスズメたちがわっさと舞い降りて来る。彼らは彼ら独自の伝令・斥候その他通信網を使って、私の自転車が現場に近づきつつある段階から『あ、あのオヤジが来たぞ!』と既にみんなで連絡し合って『樹上待機』しているのではないかと私は疑っている。

 餌遣り半ばで路上に待機する彼らは私の方を正面から見据えてなどいない。むしろ完璧に『揃って横向き』の体勢をとることが多い。彼らは並んで右側面を私に向けている。(地面に降りないで樹上や石材の上に待機しているものたちは普通に私の方を注視している。)それでも私が餌を播く『手の動き』はしっかり捉えていて、餌を投げるや即座に反応するのだから、彼らは左右両方の目が別々の方向を見ているのではないのかなと考えてしまう。

 『お見送り』も最近は殆どない。桃園では私が投げる食糧を全部投げ終わって帰り支度も済ませている段階になってもまだ、ハンドルやらサドルやらに止まって『お見送り』してくれたのだった。お名残り惜しいのはお互い様であるが、彼らはもっと単純に「もっと食べ物が欲しいよ♪」と言っているだけなのだろうか。でもないものはあげられないのである。私は自分の昼食用のおにぎりまで与えてしまっているのだ!)
 この「お見送り」を振り払って帰路に就くのは我ながら切ない気持ちになった。昨日O氏も同じことを言っていた。w
 今は彼らは全くドライで、私が帰り仕度を始めるとみんなどこかへ行ってしまう。あとには鳩たちだけが残る。