スアレス栓抜きを紹介する「淘宝網の画面 Taobao

 サッカーのウルグアイ代表ルイス・スアレスが起こした「かみつき事件」が中国のオンライン市場に架空の商機をもたらしている。

  スアレスは先週、ワールドカップ(W杯)1次リーグの試合でイタリア代表ジョルジョ・キエリーニにかみつき、一躍有名人となった。中国の電子商取引最大 手、阿里巴巴集団(アリババグループ)が運営するオンライン市場「淘宝網(タオバオ)」では、これにあやかって約200店舗が「かみつきスアレス栓抜き」 を販売している。

 この商品の紹介写真では、試合後にウイルスのごとき勢いで広まったスアレスのかみつく瞬間の合成写真がプラスチック製のフィギュアの頭部に貼り付けられ、ちょうど歯の部分がボトルの王冠に当たるよう工夫されている。価格は1個15元(約245円)からと安い。

 かみつき事件後にソーシャルメディアが大騒ぎになったこともあり、栓抜きは飛ぶように売れるはずだった。だが、問題は商品がまだ存在しないことだ。W杯開催直前までブラジル各地のスタジアムが存在しなかったことを彷彿(ほうふつ)とさせる事態だ。

 激烈な競争にしのぎを削る中国のオンライン市場の商人。抜け目なさはスアレスに引けを取らない。チャイナ・リアル・タイムが接触した淘宝網の出品者らが語ったスアレス栓抜きを宣伝した動機はまちまちだ。

 商品1個に9999元という途方もない値段を付けた出品者は、栓抜きが本当に売れるとは思っていなかったと話した。この出品者は「スアレスブーム」を商売に利用しただけだという。

  Drinchleeと名乗るこの出品者は「正直言って、商品を持っていたとしても実際にこんな高値では売らないよ。楽しんだだけさ」とし、「W杯を楽しん でもらうためにやったんだ。それに、サッカーチームのTシャツなど、私が売っている他の商品をみてもらえるじゃないか!」と話した。 

============

 以上 Wall Street Journal からの引用終わり。

 商魂逞しいというか、ジョークがきついというか、面白いね。