神戸空襲。
神戸空襲:米軍撮影の写真43枚発見 45年6月5日
毎日新聞 2014年06月05日 15時00分(最終更新 06月05日 15時15分)
1945年6月5日の神戸大空襲で、米軍機が空爆の状況を撮影した写真43枚が国立国会図書館の米軍資 料から見つかった。日本の空襲史の研究を続けている中山伊佐男さん(84)=東京都在住=が見つけ出した。1回の空襲を巡り、これだけ大量の空撮写真が発 見されたのは初めて。中山さんは「撮影時間や撮影地点も記録されており、空襲を時系列にたどることができる極めて貴重な記録。綿密に分析すれば空襲の実態 がよりはっきりする」と話している。 神戸市は6月5日午前、B29爆撃機約470機の空爆を受けた。神戸市東部を中心に焼夷(しょうい)弾が投下され、約3000人が死亡、5万5000戸が被災。3月の大空襲と合わせて市街地の6割近くが焼け野原となり、神戸はほぼ壊滅した。 中山さんは元高校教師で、当時米軍がまとめた空襲損害評価報告書をもとに各地の空襲の実態を調べてい る。米軍資料には、各地での空爆中に上空から撮影した写真が含まれているが、多くの場合は参考資料として数枚程度で、40枚を超える空撮写真が残されてい ることはこれまでないという。今回の写真には、空襲開始直後の三宮周辺(現在の中央区)や都賀川沿岸(現在の灘区)が、炎を噴き上げ黒煙に包まれている状 況が写っており、ほとんどの写真に時刻、緯度・経度、高度、機体番号が記載してある。 中山さんは8月に神戸市内で開かれる空襲・震災を記録する会全国連絡会議の研究会で発表する予定。中山さんは「この日の神戸空襲は午前中で天候が良く、鮮明な写真がたくさん撮れたのだろう。今までにない大変貴重な記録だ」と話している。【松本泉】
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